せっかくマイホームを買うなら、限度額ギリギリまで借りて立派な家を建てたい!
ほとんどの方が一生に一度は、夢のマイホームのために住宅ローンを借りますよね。
そこで上記のように「素敵な家にしたいから、借りられるだけ借りちゃえ!」と考える方は多いものです。
しかし…借入可能額いっぱいで借り入れてしまうと…
住宅ローン破綻の危険がありますよ!!
身の丈に合わない住居のためにローンを組むのは、結果として何十年も支払いが苦しくなるだけです。
今回は、その裏付け理由と、住宅ローンの「借入可能額」と「返済可能額」の違いと計算方法についてご説明していきます。
住宅ローンの借入可能額はどれぐらい?
一般的に住宅ローンの借入可能額は「年収の10倍」と言われていますよね。
実際に金融機関が融資額を提示する場合にも、返済比率の上限を35%としているところが多いです。
年収×返済負担率35%=年間返済額
で提示します。
これで計算すると、年収400万円の場合→年間返済額140万円・借入総額4,900万円、という結果になります。
しかし、この借入額ですと月返済額は約11.7万円になります。
年収400万円の手取り月収は26万円程ですので、住宅ローン返済だけで45%も占めてしまうことになってしまうのです。
これではローン返済に追われる人生になってしまいますね。
これが、借入可能額いっぱいで住宅ローンを組むと破産の危険な理由です。
もし、なんとか返済できたとしても、他の支出項目をかなり切り詰めないといけません。貯蓄ゼロ・子供の進学は公立のみ、など制限がかかってきます。
貯蓄ゼロは万が一の場合にはリスクがありますので、返せる額でローンを組むのは必至となります。
では、返せる額っていくらなのか?次です。
住宅ローンの返済可能額の計算
これは、適正家賃額を算出すればOKです。
適正家賃額の計算では収入の25%以内が基本です。
年収400万円の場合は月8.3万円が適正な数字ですね。
しかし、実際には住宅ローンの他に固定資産税の支払いも発生してきますので、無理なく返済していくには年収の20%以内がお勧めです。
年収の5~6倍といったところですね。
こちらに年収別「借入可能額」と「無理なく返せる額(20%で算出)」を表にしました。
年収 | 借入可能額(月返済額) | 返せる額(月返済額) |
300万 | 2571万円(7.5万) | 1714万円(5万) |
400万 | 3999万円(11.7万) | 2285万円(6.7万) |
500万 | 4999万円(14.6万) | 2856万円(8.4万円) |
600万 | 5999万円(17.5万) | 3428万円(10万) |
700万 | 6999万円(20.5万) | 3999万円(11.7万) |
800万 | 7999万円(23.4万) | 4570万円(13.4万) |
900万 | 8000万円(23.5万) | 5142万円(15万) |
1000万 | 8000万円(23.5万) | 5713万円(16.7万) |
フラット35での借入限度額は年収2,000万円であろうとMAXで8,000万円までです。
借入可能額だけでみると返済は厳しいですよね。
返せる金額だと、今までの家賃と同じくらいだと思われます。
住宅ローン審査は年収だけじゃない
金融機関からしたら多額のお金を貸し付けるので、年収のみを基準にしている訳ではありません。
他社からの借入の有無
年齢
健康状態
雇用形態・職業
上記のような条件も加味して審査されます。
年収400万だから3,000万円は借りれるだろうと思っていても、実際には2,000万円しか借りられないといったケースは多いです。
大体が自動車ローンやカードローンの返済中だったり、契約社員など、不安定な雇用形態の場合が要因となっています。
希望額まで借りたいのなら、
- 今ある借金を返済する。
- 正社員になる。
- 若いうちに借りる。
- ペアローン(夫婦連名)で借りる。
といった方法を取ってください。ちゃんと上記の“返せる額”を目安にして借入をしていきましょう。
身の丈に合った返済プランを立てよう
マイホームの理想ばかりが先走ったり、見栄を張った住宅にしてしまうと、これから30年以上も重い支払いに追われることになります。
世帯年収の6倍に収まらないようなら、物件の再検討は必須です。
住居も大事ですが、他に教育費、老後資金も用意していく必要がありますし、趣味や旅行もたのしみたいですよね。
無理なく住宅ローンを組んでいきましょう。
お役に立てますと幸いです。