年金の繰り下げ受給が絶対に得とは限らない!損するケースとは?

年金受給は、受け取る年齢によって金額が変わるって聞いたけど…

繰り下げ受給がお得と聞いたけど、どれぐらいお得なの?

何かと話題の年金制度ですが、2019年8月現在では65歳からの受給が基本になっていますよね。実は、年金って受け取れる年齢が選べるのを知っていましたか?しかも受け取る年齢によって金額が異なるのです。

繰り下げ、繰り上げって何?

何歳で受け取るのが一番お得なの?

一般的には「繰り下げ受給すれば絶対得!」と言われていますが、必ずしもそうとは言えないケースも存在します

今回はその根拠と、年金の繰り上げ・繰り下げ受給のメリット・デメリットをご説明していきますね。

年金の繰上げ減額率・繰り下げ増額率っていくら?

まずは基礎知識として、用語の確認です。

繰り上げ受給→60~65歳になるまでに前倒して受け取ること、減額される。

繰り下げ受給→65~70歳で後ろ倒して受け取ること、増額される。

65歳からの受給とされていますが、実際には60~70歳の間で、自分の受け取りたい時期を選べる、ということです。65歳を起点として、それ以前に受給すると減額、それ以降に受給すると増額される仕組みです。

繰り上げ受給の減額率

詳しくは日本年金機構のホームページに載っていますが、老齢基礎年金の繰り上げ減額率を引用しますとこちらです。

繰上げ減額率早見表

請求時の年齢 0カ月 1カ月 2カ月 3カ月 4カ月 5カ月 6カ月 7カ月 8カ月 9カ月 10カ月 11カ月
60歳 30.0 29.5 29.0 28.5 28.0 27.5 27.0 26.5 26.0 25.5 25.0 24.5
61歳 24.0 23.5 23.0 22.5 22.0 21.5 21.0 20.5 20.0 19.5 19.0 18.5
62歳 18.0 17.5 17.0 16.5 16.0 15.5 15.0 14.5 14.0 13.5 13.0 12.5
63歳 12.0 11.5 11.0 10.5 10.0 9.5 9.0 8.5 8.0 7.5 7.0 6.5
64歳 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5

繰り上げ減額率は「0.7%×繰り上げた月の数」になります。数字が多すぎて分かりづらいので、「0カ月」の縦一列だけ見ればOKです。

5年繰上げすると3割も受給金額が減ってしまいます。

繰り下げ受給の増額率

繰下げ請求と増額率

請求時の年齢 増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月 8.4%~16.1%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月 16.8%~24.5%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月 25.2%~32.9%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月 33.6%~41.3%
70歳0ヵ月~ 42.0%

繰り下げ増額率は、「0.5%×繰り上げた月の数」になります。5年繰り下げると、42%も増額されます!

65歳での年金受給額が月額15万円だとしたら、70歳から受給となれば21万3,000円も増えます。

繰り上げ・繰り下げ受給の損得分岐点を覚えておきましょう!

繰り上げ・繰り下げ受給を行った場合に、得・損になる年齢を知っておきましょう。

  • 繰り上げ受給している場合→受給開始から16年目以降でする
  • 繰り下げ受給している場合→受給開始から12年目以降でする

60歳で繰り上げしたら、65歳から受給した時に比べると76歳時点から損し始めます。対して70歳に繰り下げたら、82歳時点から得になります。

2017年での平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳なので、夫の方は繰り下げるかどうか微妙なところです。

加給年金の対象者は、繰り下げ受給だと損します

加給年金とは、年金の家族手当のようなもので、「夫が年金生活になったら、妻に年金が支給されるまで、夫の年金に上乗せボーナスあげるよ」という感じです。対象者は以下です。

  • 厚生年金に20年以上加入している
  • 65歳未満の配偶者または18歳以下の子供がいる
  • 配偶者の厚生年金の加入期間が20年未満

上記をすべて満たしている場合

若い嫁を貰った歳の差婚で、妻が専業主婦、子供がまだ若い場合ってことですね。

年間で39万8,000円支給されます。しかし、繰り下げ受給してしまうと、繰り下げ中は加給年金が受け取れません!!

加給年金対象者が、損しない年金の受け取り方は以下です。

繰り下げ請求するのを老齢基礎年金のみにすれば、加給年金も受け取れます!

加給年金って、老齢厚生年金の上乗せ分なんですよ。なので、厚生年金部分は65歳のまま、基礎年金部分だけ繰り下げ受給すればOKです。

「とにかく繰り下げがお得!」と盲信せずに、きちんと調べておきましょう。気を付けてくださいね!

繰り下げ受給のデメリット

繰り下げが圧倒的に得、と言われていますが、そんなこともありません。

繰り下げ受給のデメリット

  • 短命の場合に損する。
  • 60代は意外とお金がかかる時期なので、資金が足りなくなる。
  • 遺族年金を貰っている場合、繰り下げできない

60代は、子供の結婚・出産・住宅購入などが重なりやすい年齢です。援助をしたいと考えているなら、老後資金にプラスして準備していきましょう。働いていれば問題なしですが、60歳でセミリタイアで繰り下げ受給をする場合に破綻する可能性があります。

無理せず繰り上げ受給や一括受け取りも検討しましょう!

繰り下げ申請をせず、通常の受給開始の申請をすれば、請求しなかった期間の年金額を一括で受け取れます

「病気になって長生きする自信がない…」「老後資金が底尽きた…」といった場合に有効ですよ。

年金のお得はあまり期待しない方がいいです

「年金をお得に受け取りたい!」と皆が思いますよね。しかし、いつ天からのお迎えが来るか分かりませんし、家族構成によって一番お得な受給方法も違います。一般的には妻の方が長生きするので、妻だけは繰り下げ受給を選択した方がお得になる確率は高まります

それでも、老後資金がなくなったら無理せず受給開始をしましょう。「70歳からじゃないと損するから…」と損得にこだわって、貧困で過ごすのは本末転倒です。結局は82歳まで生きないと得になりませんので、結果損してしまうかもしれませんよ。

お役に立てますと幸いです。

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